まず、仕事をする上で、あるいは日常生活の中で、その障害が大きな支障になっているということです。法律では「規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるとき」などと無機的な表現になっていますが、この障害による「困難」や「厳しさ」こそが障害年金を受給する理由にほかならないと思います。
支障があるかどうかの判断をするのは原則として障害認定日です。障害認定日は、最初にお医者さんの診察を受けた日を意味する初診日から1年6カ月経ったとき、あるいは、病気やけがが治った日、または、「これ以上治療を続けても良くならないだろう」と判断された日です。例外として、障害認定日にはそれほどの障害ではなかっても後日、障害の程度が進んだ場合などがあります。
支障というのはさまざまです。そこで、法律で1級、2級、3級の3段階に分けてあります。また、もう少し軽い障害のため、年金ではなく一時金がもらえる障害手当金(共済年金は障害一時金)もあります。
それぞれの級の障害の状態を列挙した障害等級表はこちらをご覧ください。ちなみに、身体障害者手帳の等級とは別ですので、ご注意ください。
どうでしょうか。抽象的な表現があって、条件に当てはまるのかどうか、分かりにくいですね。
社会保険庁年金保険部長がかつて、各都道府県知事に出した「障害認定基準」(庁保発第15号)というのがあります。おおよその見当をつけるには分かりやすいかも知れません。
この「基準」を見ますと、1級は「他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のもの」とされており、具体的には「例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの」と書かれています。
2級は「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの」とされており、「例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの」と書かれています。
そして、3級は「労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とされています。
なお、3級と障害手当金(障害一時金)が適用されるのは厚生年金や共済年金の被保険者です。現にこれらの年金の保険料を支払っている人ということです。ですから、一般に事業主、専業主婦、学生などは対象外となります。